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映画『シコふんじゃった。』【評価】A 本木雅弘

映画『シコふんじゃった。』(1991)103min 【評価】A 280211

20年前のバブル時代の作品なので、服装や髪型にその当時の雰囲気が感じられる。

この作品を観て、モックンはアイドルよりも俳優に向いていたんだなーと思った。 今では、「おくりびと」でアカデミー賞外国語映画賞を受賞するまでの俳優となっている がその俳優初期に出演した作品である。 「上海の夜」では、大人の男を魅せていて私はこれも好評価している。

この映画は、スポーツコメディとして秀逸。 まわしを直に締める事を拒否する外国人留学生あり、若貴を彷彿とさせる兄弟あり、 シコで歩く小心者ありと相撲部全員の個性が出ていてとても面白く楽しめた。 特に、竹中直人はどうみても大学生には見えないが浪人&8年生ということで 強引に押し切っていてそこも良い。 下痢気味で尻を抑えながらトイレに駆け込むシーンは、爆笑ものである。

また、日本の伝統文化“相撲”を外国の人に紹介するのに良い映画だと思う。 ちなみにタイでは、タイトルを「SUMO」として売られている。 女性を土俵に上げるのはちょっと…と思う年配の方もいると思うが、 これは映画なので良しとしてもらいたい。 女性部員の活躍は、物語の重要な肝でもあるし。

映画中、竹中が演じる青木がプロレスについて「あんなインチキは嫌いだ!」 と話すシーンがあるが2011年2月の今、大相撲の八百長が発覚したのは 大いなる皮肉だなぁと思った。 この当時はプロレスの八百長がバレ始めた時で、プロレスがだんだん落ち目に なっていく中、相撲はみんなガチンコだと信じていたから余計に監督は予見 していたのかなぁなんて邪推もしてみたりする(笑)

よくある落ち目の部の復活勝利劇だが、部員の個性をうまく生かしてテンポある 小気味良い映画である。

シコふんじゃった。 [DVD]