タイトルに「溶ける」という単語を使ったのはうまいなと思った(多分編集者が付けたのだろう)。
序盤と終盤に出てくるカジノの仕組みについて(ジャンケット制度、借金の仕方)はとても興味深く読めたが、他の内容はどれだけ自分が勉強できたか、どれだけ仕事ができたか、どれだけ人脈が広いかという自慢のオンパレードで正直閉口した。
そして極めつけは、父に厳しく躾けられていたので自分は可哀想アピール。
ここまで自分の事を持ち上げて書けるのは逆にすごいと思った。
芸能人や有名人、財界人との人脈アピールは、出所後の為に保険として記述しているのではなかろうか。
一つ不思議に思ったのは、借金は一審の判決前に全額返したから執行猶予がついてもおかしくないと書いている所。
そんなに早く返せる資産があるのなら、なぜ子会社から借りたのだろうか。
自分の持ち株分を売却すれば、借金はしなくても資金は作れたのでは?
売却できない仕組みとかになっていたのかな。
あと、ノンフィクション作家の佐野眞一が書いた記事に熱を入れて反論していたのには笑った。
佐野氏はハシシタ事件で盗作等がバレてるから叩いても大丈夫だと思って叩きまくってるのだろう。
この本を読んだ後の井川氏の印象は“自慢好きの弱い者いじめが好きな金持ち男”。
自分にはこの本を懺悔本とは認められないな。