この本を読んでいなかったら一生知らないままであっただろう男、薄煕来の話。
中国近代史の知識はほとんど無かったのでとても興味深かった。
この本の著者、遠藤誉氏は満州で生まれそのまま幼少期を過ごし、日本に戻り大学教授、中国留学生関係、また中国国内でも仕事をしているとの事。
その為、中国関係に独自の情報網を持ち、一般の人が知らない話を色々と披露してくれている。
話は谷開来に於けるヘイウッド殺人から始まるが、終章での考察はなるほどなーと読ませてくれた。
また、薄煕来の成り上がり方の一例としてのお金が無ければ富豪の資産を没収すれば良いという発想がすごいし、それが何度も実現できてしまうのに驚愕。
これは司法や警察を自由に操れる権力を持てる共産主義社会じゃないと無理だよなぁと感じた。
全般を通して思ったのは、政治は相手にどれだけ恩義を与えてリターンを得るかという人間ゲームなんだなという事。
決して1人だけでは上に行けないし、どれだけ忠義を尽くしてくれる人間を作れるかに掛かっている。