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本『那須雪崩事故の真相 銀嶺の破断』阿部 幹雄 著 山と溪谷社

あの高校生7人と引率教師1人が亡くなった雪崩事故はなぜ起きたのか。

その原因を過去に滑落で仲間を8人亡くした経験を持つ著者が独自の取材で究明している。

特にオルソ画像からラッセル痕跡を判別して事故当時どこを登ったかを解析したというのは画期的な発見だと思った。

また、引率の先生はなぜ事故後すぐに携帯電話で救助要請しなかったのか、事故後に先生たちはなぜ真相を語らないのか等々。

普通に疑問に思うことを提起している。

事故後の先生たちの行動は一貫して自己の保身に走っている事が伺える。誰も責任を取りたがらないのである。

これを読んでいると、あの「あのとき、大川小学校で何が起きたのか」を思い出した。

この時の唯一生還した先生も固く口を閉ざしている。

問題が起きたときに隠蔽、自己保身に走るのは教師という職業の特質なのだろうか…

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